TEAM |
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浦和市立(埼玉) |
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宇 部 商(山口) |
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未明からの雨でこの日の準々決勝の試合開始が一時間遅れた第三試合目。未明の雨が嘘のように晴れ上がり、澄んだ青空の中に強い浜風が吹き流れる甲子園での熱戦でした。 この大会、打率49チーム中49位。平均身長も49位。誰が浦和市立が準々決勝進出を予想できたでしょうか?2回戦で前年選手権準優勝の常総学院、3回戦でセンバツベスト8の宇都宮学園を破り、準々決勝はこれまたセンバツベスト8宇部商との戦いになりましたがこの試合も強豪相手に堂々とした戦い、投手の星野を筆頭に笑顔がホントに印象的で似合う、不思議なチームでした。 |
制作 NHK、実況:松本一路氏、解説:福島敦彦氏。 |
1回表、宇部商先発は木村。この大会27イニングを投げ四死球は僅かに3個と抜群の制球力を備えた180センチ細身のサウスポー。雰囲気が元広島の大野投手にとっても似てる感じがするピッチャーです。さて、浦和市立の攻撃は2死後にこの日全打席出塁する事になる阿久津が中前に弾き返すも、後続無くチェンジ。 1回裏、浦和市立先発は星野。ワインドアップ時に一回頭の真上で腕を伸ばす特徴のあるフォームの投手。躍動感があり見ていて気持ちがいいで投手ですね。初回は宇部商先頭打者:坂本に右前ヒットを許すも浦和捕手の黒沼がセカンドベース上にドンぴしゃの送球をし坂本が盗塁死。2番:小松は星野のコントロールが安定しないボールを良くみて四球も3番:田村が内角球にどん詰まり、1−6−3の併殺でチェンジ。
2回裏、先頭は2年生4番の力丸から。外角球を叩き鋭い辺りも二ゴロ。5番:寺岡が初球を三遊間を破るヒットも、6番:城市が内角球に詰まり、一回同様、1−4−3の併殺でチェンジ。
3回裏、先頭の7番:木村からも、木村:二ゴロ。西田:遊ゴロ。伊藤:一ゴロで三者凡退。星野のボールが外角低め/内角高めと対角を上手く使う投球で。真骨頂の打たせてとるピッチングで宇部商を抑える。守備も素晴らしい浦和市立ですね。
4回裏、この回の浦和市立が先頭1番の坂本の投球前に伝令が?一発がある坂本を警戒しての事でしょうか?今と違って、タイムの回数制限がなかった事での行為ですね。結局、アドバイスが効いたか、坂本は投ゴロ。しかし2番:小松が0−2から星野のカウントを取りに来た真ん中低めの直球を痛烈に三遊間を破るヒット。続く3番:田村の初球に小松が盗塁。黒沼の送球はまたもドンぴしゃも惜しくもボールがこぼれセーフ。田村は1−2から真ん中に入るカーブを上手く捉え、レフトオーバーの2塁打で先制。星野の投球が珍しく甘く入ったボールを逃さずに叩きました。後続の4番:力丸は初球を叩き捕邪飛、5番:寺岡もセンターに抜けようという打球を放つも、浦和:中野二塁手が上手くさばき、この回は1点で終了。 5回裏、6番:城市から。星野の2球目が左肘に当たるも、避けなかったということで死球は認められず。しかし、城市はその4球後の2−3からの星野の真ん中速球を振り抜くと打球はグーンの角度良く上がり、左中間ラッキーゾーンに飛び込む今大会第2号(チーム大会通算5本目)で2−0とリード。星野は続く7番:木村は二邪飛に打ち取るも、8番:西田にはカウント0−2からの真ん中直球を鋭くレフト線に引っ張り2塁だ。このチャンスに9番:伊藤は内角高めのスライダーを三遊間に引っ張り1死1,3塁。打順は1番:坂本へ。しかし、1球目の後の三塁犠投後の1塁牽制に伊藤が飛び出し、2死3塁とチャンスは消えたに見えたが、坂本が3球目の真ん中直球をバットの先っぽに当てながらも中前にポトリと落とし、3−0とリードを開く。この回は星野のコントロールが高く、中に集まり集中打を浴び出しました。 6回裏、3番:田村から。ここはクリーンアップを迎えて星野が立ち直り、田村を外角速球を打たせて二ゴロ。4番:力丸は外角高めを打って遊飛。5番:寺岡は四球で歩かせるも、前の打席で本塁打の6番:城市を今度は真ん中低めの直球をズバッと投げ込み見逃し三振。 7回裏、7番:木村から。木村は右飛。8番:西田も遊ゴロ。浦和ショート鬼塚の好フィールディングでした。9番:伊藤は二ゴロも、中野が捕球後、つまずいて膝をつき、内野安打。1番:坂本の時に伊藤が盗塁し、送球が中前に抜ける間に3塁へ。2死3塁で星野が坂本を警戒したか、カウント2−1から四球で2死1,3塁。このチャンスに2番:小松は初球を叩くも浦和センター:松岡が懸命に走り捕球。守りきりました。 8回裏、宇部商は3番:田村、力丸、寺岡のクリーンアップも遊ゴロ、右飛、三ゴロで三者凡退。チェンジ。浦和の好守備が星野を助けた回でした。 9回裏、6番:城市から一発を星野が意識してか、外角を執拗につく投球だったが最後は内角スライダーを配球し見逃し三振。7番:木村は綺麗に二遊間をライナーで破るヒットで、8番:西田の犠打で2死2塁とする。ここで前日の東海大甲府戦で劇的代打逆転スリーランを放った宮内が代打に。場内、大拍手・大歓声も星野の初球内角スライダーを窮屈にスイングすると打球は力無く二飛。玉国監督も苦笑いでした。 10回裏、宇部商は1番:坂本から。カウント2−2からの真ん中直球をライナーで三遊間を破り無死一塁。内角を狙った投球が中に入った所を狙われました。続く2番:小松はバントを装うもバスター強打。ホームから5メートルくらいまで前進してきた三塁手の頭をワンバンドで越えて無死1,2塁。バント嫌いの玉国監督の本領発揮というところでしょうか。3番:田村は確実にバントで送り、ここで4番:力丸。浦和の作戦は10回表の宇部商の満塁策とは正反対で対決。まず初球をストライクを取った時は場内がどよめき、玉国監督ものけ反って「おー」というリアクションです。2球目は外角ボールのスライダーを空振り、精神的に星野が優位に取ってみれる力丸と星野の表情です。最後は2−2から内角にズバッと速球高めを投げ込み、投ゴロ。星野が捕るというのではなく、シングルハンドで差し出した手首に打球が当たったが、冷静に処理し2死2,3塁。5番:寺岡には2球目に超スローボールを投げる余裕も見せ、最後は外角スライダーを打たせ二ゴロチェンジ。しかし、寺岡への投球は初球:外角ストレート、二球目:ボールになる超スローボール。三球目:外角速球、四球目:三球目と同じスピード、コースで落として二ゴロ。素晴らしい投球で感服しました。 11回裏、宇部商は城市からですが、中飛に倒れ1死。7番:木村は意地を見せ、ライト線にヒット。次打者:西田の2球目に盗塁、これはヘッドスライディング。しかも、西田の捕邪飛で3塁ががら空きなると木村は3塁を陥れ、執念がとても伝わってきました。しかし、最後は代打:豊田が打ち上げて試合終了。この飛球は星野が「俺が捕る」とジェスチャーし、ショート前に下がって捕球しました。ピンチにも動揺しない星野の笑顔が印象的な試合でした。 |
宇部商:城市は今大会2本目のホームラン。しかし、そのホームランを見せたい両親は母親が前年の7月に、センバツ後に父親を病気で亡くし、ポケットに両親の写真を入れ試合に出場。両親がきっと力をくれたんでしょうね。悲しいエピソードでした。 |